アレクサンダー・テクニーク(AT)は
万能ではない。
トレーニングを始めて数年たった頃、
教師歴30年~40年を超えるATのメンターが
レッスンで言った言葉です。
ATをほとんど知らない方からすると
当たり前と言えば当たり前の話なのですが。
アレクサンダー・テクニーク(AT)は
心と身体は一体という観点で
学ぶテクニックです。
人生のすべてに応用ができ、
トレーニングを進めていくと
人間関係を含め、
いろいろ難しいと思っていたことが
解決していくような体験をするため、
アレクサンダー・テクニークは万能だ!
と思えてきます。
何年かトレーニングを進め
そう感じているときの
メンターの
アレクサンダー・テクニークは万能ではない
という言葉。
必要な時はカウンセリングも受けるし、
疲れた時はマッサージも受ける。
そう語るメンターの話を聞いて
そんなばかな…と
当時の私はちょっとショックでした。
その後、私のトレーニングは
比較的順調に進み、AT教師になる試験も
ほぼ終えたころ、
人間関係の問題が起こり、
悲しくショックで
起き上がれず何も手につかなくなるほど
それまで学んできたATが
全然役に立たないという体験をしました。
何年も訓練してきたのに
一番役に立ってほしいときに
全く役に立たないってどういうこと!
と、そのこともショックで。
カウンセリングを受けたり、
心と身体が一体という観点から
心理や感情を扱う
他の専門分野の方や
書物の助けを借りながら
感情について向き合い
徐々にそのショック状態から
抜け出していきました。
抜けだした時に
心理・感情と以前よりもクリアに
向き合えるようになったとき
ATの学び(心と身体は一体である)と
感情、心理がやっとつながった感覚があり、
違う分野の助けを得て
感情心理の理解が深まった時に、
逆にあらためて
ATが人生の助けになる
ことが理解できました。
人生の助けにはなるけれど
アレクサンダー・テクニークは万能ではない
私もそう言える教師でありたいと思います。