【俳優の方へ】アレクサンダー・テクニークは演技に役に立つ?

養成所時代の友人と話す機会がありました。

 

アレクサンダーテクニーク(以下AT)の教師として活動していることを伝えると
「ATのどこに惹かれたの?」。

 

友人にはピンとこなかったようです。

 

俳優さん向けのトレーニングとして
ATのレッスンを受けたことはあるが、どう演技に役に立つかわからなかったとのこと。

 

ピンとこない感覚、よくわかります。

私がはじめてATのレッスンを受けた時もそうだったので。

 

ATが扱うのは「プライマリーコントロール」。

 

私たち、もれなく全員に備わる

 今この瞬間今いる空間、環境の中で
 心身の最適なバランスをとるよう働く自動調整力
です。

 

この本来そなわる「プライマリコントロール」という
自動調整機能が働くのを、自分自身で邪魔する場合に不調が起こり、


できるだけ邪魔せず、その働きに沿って動くことで
物事がうまくいきやすくなる。


本来備わる「プライマリーコントロール」を
邪魔せず働かせてあげるよう自分自身をガイドしていく技術が
アレクサンダー・テクニークです。

 

友人が、ピンとこなかったであろう理由を推測すると。

 

「プライマリーコントロール」が備わっている
という理解・腑に落ちる感覚がない内は、
「プライマリーコントロール」の邪魔に気づけない。


自分でやってる邪魔に気づいて、
プライマリーコントロールが働けるようガイドする

というATレッスンは、ピンとこず、何をやっているかわからない。

 

レッスンでは、
教師が生徒さんに手を触れ(時には触れず)、
教師が先導(誘導)するように伝えていくのですが、

 

最初は、
何をやっているかわからないけれど、
先生が触れたら(先生の誘導にしたがったら)、
動きがスムーズになった・
身体が楽になった
という印象を受けるかと思います。

教師が触れた(教師の誘導にしたがった)→改善した 
=自分じゃできないじゃないか!

という感覚です。

 

はじめてのレッスンでは、特にそう感じることが多いと思います。

 

自分自身で、いろいろ試行錯誤・努力してきた方の場合、
この「自分じゃできない」感覚は、相当、居心地が悪いはず。

 

ただ、そこでもうちょっと踏ん張って続けてみてほしい!


5回(できれば10回)続けてもらうと、
自分の中にプライマリーコントロールという能力が備わっている
ということが徐々に実感できてきます。

 

実感できてくると、並行するように、
「あ、今、私邪魔してる」と、自分がやっている干渉(邪魔)に気づき始めます。

 

気づけるようになってくると、並行するように、
邪魔を手放し、
ライマリーコントロールに沿って動くよう自分をガイドする力
が養われてきます。

 

すると、演技の際の自分の癖(邪魔)を俯瞰してとらえられるようになり、
邪魔を手放すことで広がる演技の可能性が体験を通して見えてくるようになります。
演技、役作りなどがとてもやりやすくなります。

 

その人の資質に合う合わないはあるでしょう。
けれど、余裕・余力があれば(なくても!)
俳優さんにはまず、最低10回は続けてみてほしい。

 

そして、そこで少しでもピンときたら、引き続き1年くらい。

ピンときた後に選択するその1年は、決して無駄にはならないと思います。

 

アレクサンダー・テクニークは、
俳優として、時間を費やして探求するに値するものだと思うので。

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